地味なカードを考察したい ハースストーン

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「紫の煙霧」について本気出して考えてみた

皆さん、こんにちは。今日は「紫の煙霧」について語ろうと思います。f:id:HsRonweasley:20210530174343p:plain

そんなカードあったっけ?と思う方もいるかも知れませんが、メカメカ大作戦にて追加されたローグのカードです。そして、なんとメカメカ大躍進というイベントにてバフされています。バフ前は3マナでした。2マナでも誰も使わないカードなので、3マナだった頃は全く見向きもされなかった事は言うまでもありません。今日はそんな紫の煙霧について語っていきたいと思います。

 

紫の煙霧が、なぜ弱いのか。特に、似た効果の「陣形を組め!」「咆えよドラゴン」に比べても使われないのは何故なのか。まず第1に思い付くのはローグというヒーローの属性でしょう。バリュー勝負を仕掛ける事が得意なウォリアーと比べると、ローグはデッキ外から適当なカードを持ってくるメリットがあまりに少ない。また、ウォリアーにはビッグウォリアーという軽いミニオンを採用できないデッキが存在し、多少使い勝手が悪くともコストの軽い呪文が採用されやすかったという点もあったように思います。

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そして第2の理由は引いてくるカードの質の悪さです。こっちの方が大きいのかも知れませんが、ランダムな「断末魔カード」というのはあまりに質がピンキリすぎる。何を引いても種族シナジーには使えるドラゴン、ハンドバフシナジーがある挑発と比べると外れが多すぎます。その辺が大きくて使われてないのかなと思います。

 

…しかし、私は思うのです。上述したような事は大体誰でも思うでしょう。ではそれを実践した人はいるのでしょうか?「質がピンキリすぎる」というのを実践して証明した人はどれだけいるのか。実はほとんどの人が実際に試す事も無く、机上の空論で「紫の煙霧は弱い」と言っているのではないでしょうか?

それは非常にいかん事です。自分で思うだけなら勝手ですが、特にこうやってブログで他人に講釈を垂れるなら自分で試した結果を語るべきでしょう。という訳で、私は実際に紫の煙霧をワイルドで断末魔ローグに入れて、50回使いました。デッキに2枚採用したので、試合数としては50戦よりはちょっと少なく45戦ほど。時間は約6~7時間ほどかかったかなと思います。今回はその結果を発表したいと思います。こちらです!

 

赤字:出したやつ

黒字:引いただけで出さなかったやつ

太字:特に活躍した、引いて嬉しかったやつ(主観)

結果① 結果② 備考
不老不死の大祭司 ギザギザの刃  
パイロ ワグル・ピック  
南海のスキッド・フェイス 壺の商人  
蟲毒なザリル ダーナサスの志願兵  
くじ引き屋 魔獣  
戦利品クレクレ君 コボルトのサンドトルーパー  
サルヘトの群れ アヌビサス・ウォーブリンガー  
爆発ヒツジ 大胞師ムッシフン  
壺の商人 マッドサイエンティスト  
蝕まれしトーレン   手札10枚の時に使った
サメのロア・グラル 穴掘りイタチ  
自己増殖型メナス ドラゴンモーの飛行追跡者  
ヴードゥー人形 コボルトのサンドトルーパー  
ガーディアン・エイグウィン ヘンチ・クランの怪キルボア  
ひ弱なヒナ ひ弱なヒナ 同じのが2枚出た
ヴードゥー人形 魂剥ぐロア・ハッカー  
骸骨術師 墓荒らし  
トンネル爆破係 ひ弱なヒナ  奇数パラ相手に刺さった(試合は負けた)
ビビった鉄砲玉 世界樹の小枝  
デッドリンガー 闘技場の宝箱  
アヌバー・アンブッシャー 灰枝  
悪運アホウドリ 竜王デスウイング  
ヴォイド・ロード 木こりの斧  
膨れてるニシキヘビ メカ・イエティ  
薬師ヘルブリム ン=ゾスの落とし子  
涜れし弓兵 スタースクライヤー  
大胞師ムッシフン 熱心な手下  
ルーセントバーグ 呪われた流れ者  
悪鬼の下僕 ダイアホーンの幼生  
ン=ゾスの触手 ネクリウムの刃  
産卵池のエサ係 ブラッドメイジ・サルノス  
巨大アナコンダ 薬師ヘルヴリム  
ヴァイオレット・ヴルム 精神を剥ぐものカーラージュ  
レイザーボア デスロード  
ヘビの卵 戦利品クレクレ君  
ン=ゾスの落とし後 デス・バイト  
堀に潜むもの スニードの旧型シュレッダー  
翡翠の鎌刀 カバールの道具屋  
エサゾンビ スニードの旧型シュレッダー  
戦闘用触手 ケーアン・ブラッドフーフ  
精霊合体トーテムオー 空駆けるトビウオ  
爆発ヒツジ デスロード  
ウルズールの怪異 ブラッドメイジ・サルノス  
闇の教団の使徒 ブラッドレイザー  
欲張りスプライト 迷える魂  
墓荒らし アヌビサス・センチネル  
肉食キューブ ヘドロゲッパー  
ネクリウムの刃 デス・バイト 唯一両方武器だった
呪われし門弟 チルモー  
爆発ヒツジ オクトサリ  

 

50回使って99枚の断末魔カードを引き、使ったのはそのうち76枚でした。意外と出せてるんじゃないでしょうか?屑鉄山のコロッサスなどの重いカードを多めに採用したデッキに入れたので、序盤は紫の煙霧から引いたカードに頼らざるを得なかったという理由もありますが。また、ミニオンは何を引いても大体出せてるのに対して武器は8枚引いて3枚しか出せていません。これは武器だとデッキに入っていた斂葬のアンカやネクリウムの刃とのシナジーが無く使いづらかった事、さらにクソザコのデス・バイトを2回も引かされた事が原因かなと思います。

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という事で、「紫の煙霧で引くカードはゴミだらけ」というイメージに反して意外と引いたカードを出せるケースが多い事が判明しました。但し、出した結果勝てるかは別の話です。リストをよーく見てもらうと分かるんですが、「こんなん出して何になるの?」というカードが結構混ざってます。例えばン=ゾスの落とし子や涜れし弓兵はローグではシナジーを活かす事が難しく、出してもただのスタッツの悪いバニラにしかなりませんでした。他に手札が無かったんで仕方なく出したんですが、「わざわざ2マナを消費してまで手札に加える価値があるか?」「出した結果勝利に貢献してくれたか?」という観点で考えると、NOと言わざるを得ません。

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もちろん、数は少ないものの引いて嬉しかった、大活躍してくれたカードもありました。特にそういう傾向が強かったのは呪われた流れ者やスニードの旧型シュレッダーなどの、強い断末魔を持つミニオンです。これらは前述の斂葬のアンカやネクリウムの刃との相性が良く、勝ちに大きく貢献してくれました。

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しかし、よくよく考えてみて下さい。これらのカードはローグ固有か中立です。わざわざ紫の煙霧から引かずとも、最初からデッキに入れれば良いのです。強い断末魔を持つミニオンは中立やローグのクラスカードに沢山いるので、わざわざランダム要素で引いてくる必要が無いのです。50回使って引いた中では唯一、「世界樹の小枝」が他クラスの強いカードでしたが、それを狙って紫の煙霧を採用するのは余りにも無謀です。大体、世界樹の小枝が欲しいのなら「盗んだナイフ」というカードに頼った方が遥かに分が良いです。

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正直、「なぜ最初から強い断末魔ミニオンを採用するのではなく、紫の煙霧というランダム要素に頼るのか」という疑問への答えは最後まで出ませんでした。2マナも払ってゴミが大量に含まれるギャンブルをするなら、戦利品クレクレ君でも出しておいた方が遥かにマシでしょう。結局、私が出した結論は「紫の煙霧で引くカードは質が悪いので、そんなものより最初から使いやすい断末魔ミニオンを採用した方が良い」でした。もし、これから紫の煙霧を使ってワイルドのレジェンド上位を目指そうとしている人がいるならば、ちょっと考え直した方が良いかも知れません。その紫の煙霧、本当に必要でしょうか?普通に強い断末魔ミニオンを採用した方が、勝てるのではありませんか?

という事で、今回の記事はおしまいです。皆さんは、この結果をどう思われますか。「紫の煙霧が弱い事なんか 、使った事が無い自分でも知ってるぞ」と考える人がいるかも知れません。しかし、私は思うのです。紫の煙霧を使った事が無い人の言う「紫の煙霧は弱い」と、紫の煙霧を50回使った人が言う「紫の煙霧は弱い」では、重さが違うと。私は紫の煙霧の弱さを体験して知っています。どの程度の確率で使えるカードが来るか、ちゃんと知っています。経験した上で、このカードは弱いとはっきり断言できる。それは非常に大事な事です。貴重な週末を紫の煙霧に費やした事など、全く後悔していません。本当です。本当に後悔していません。紫の煙霧に6時間以上使って、全く後悔していません。

 

(2021/5/31追記)紫の煙霧をテスローグで採用してはどうかという意見について少し。確かに、紫の煙霧からは他のクラスのミニオンが手に入るので、バザールぶんどリャーのカウントを進めたりテス・グレイメインのバリューを高めたりできます。なお、今回の結果では他のクラスのカードを引けたのは50回中26回、合計33枚でした。ミニオンに限ると50回中23回、合計28枚です。今のテスローグではほぼ亡霊カトラスが採用され、武器は引いてもあまり嬉しくないので使えるカードが引けるのは半分以下といったところでしょう。また、当然テスローグは断末魔ローグと比べると断末魔ミニオンを活かす事が難しく、断末魔ローグではうまく使えた巨大アナコンダなども場に出しづらい事が想定されます。その辺りを考えると、やはりテスローグで使っても弱いのかなという印象です。そっちは試してないのであまり大きな事は言えませんが。